覚書

ライブとか舞台とか

とりとめのないもやもやとか

先日、推しの出演した虚無舞台*1の千秋楽を見に行ってきました。


最後まで虚無でした。通う中で、キャストさんたちや音響は回を重ねるごとによくなっていた印象だけど、やっぱりしんどかった。悪い意味で。


そのしんどさについてうまく言葉にしようと思って考えていたんですが、これを一言で表現するなら「共感的羞恥」なのかなというところに落ち着きました。

 


例えば、アンサンブル一人一人の殺陣やダンスは決して悪くない(寧ろ身体能力はそれなりに高かったと思われる)のに、そのヘアメイクや衣装のクオリティの低さが世界観もキャストの努力も全てぶち壊しているように私には感じられた。その中途半端なかんじが、なんか見てて恥ずかしくなってしまって、しんどかった。


日本人の役でもないのだし、それどころか人外の役なのだし、ウィッグくらい用意しても良かったのでは。もしくは布か何かで顔を隠すだけでも「ザ・一般人」というかんじは薄らいで人外感を演出することは可能だったのでは。


また、衣装だけでなく演出も、どうしてそこまで人力というかアナログにこだわるのか、とやっぱりなんとなく恥ずかしく、頭を抱えたくなってしまう場面が多々あった。


今回、攻撃等の演出に紙吹雪や新体操のリボン等が使われていた。そういったアナログな演出を悪だと言いたいわけじゃない。でも現代には高い映像技術もあるのだし、二次元が原作の、人の範疇を超えた事象を可能な限り忠実に再現するという点に重きをおけば人力にこだわる必要はなかったのでは、と、どうしても思ってしまった。


そういったアナログな表現をこなしているキャストさんの表現者としてのスキルは純粋にすごいと思うのだが、その表現方法自体が作品にとって最善に思えないというか。その演出が作品の世界観を引き立てていればアナログだろうがなんだろうがこんな気持ちにはならなかったと思うんだけど、ただただ、もっとほかに良い方法があったはず、と、もどかしい気持ちになってしまった。


少し前に某二次元作品の映画化で、「キャストはA5ランク黒毛和牛なのにシェフがダメ」という趣旨のツイートを見たけど、この舞台もまさにそんなかんじだったなあと個人的には思う。


確かにこの作品は、アンサンブルの方が、少ない人数なのに色々な人物(人外もいるけど)を演じているので、その分何着もの衣装が必要だった。加えて異世界の生物も出てくるわけだからその攻撃等を全て映像で作っていては、時間的にも予算的にも大変なことになってしまうのかもしれない(しらんけど)

 


しかし、2.5と銘打ってわざわざ二次元の作品を無理矢理三次元で舞台化している以上、世界観を損なわないような工夫をして欲しかった。


それができないのなら、私はやはり舞台化反対と言わざるを得ない。

 

 

そもそも、私は元々2.5次元舞台のアンチでした。

 

ただの食わず嫌いではなかった。配信ではあるけど、とある作品*2を興味本位で見て、そのクオリティの低さに愕然とし、心の底からこの2.5というジャンルを嫌悪するようになったわりとガチなアンチだった。そして当時は、キャストというよりは舞台化を企画した製作側に腹を立てていた。

 


その私が何故今このジャンルに無心で諭吉を溶かしているのかといえば、単純に、クオリティの高い作品と出会い、「クオリティの高い2.5作品を作ることは(舞台化自体が可能な作品を選べば)可能」だと考えるようになったから、だと思う。

その作品は、衣装も殺陣も小道具も舞台装置もBGMも音響も照明も全てが完璧だった。私の好きな作品の世界が目の前に広がっていた。

キャストもスタッフもとことんまで原作を再現しようとする信念がバチバチに感じらて、千秋楽、とあるキャストの、役として板の上で生きたことが本当に幸せだった、といった趣旨のコメントには目頭が熱くなった。……まあそのキャストって何を隠そう今の推しなんだけど。それはさておき。

 


とにかく、私の価値観をひっくり返した作品は原作の再現度にかなり重きを置いていたので、どうしても、「再現力あってこその舞台上の表現力」であってほしいと思ってしまう。

 

全ての作品がそうでないことはわかってる。監督もいろいろな人がいるし、この2.5というジャンルの解釈も、きっと色々なものがあるんだと思う。そして、人体の構造上、会場の構造上、予算上、いろいろな理由でできないことも多くあると思う。


でもその舞台で再現できなかっただけのものを、「2.5次元ならでは、舞台化ならではの表現」という、実に都合の良い言葉でお茶を濁されると、単純に、できないならなんで舞台化したの?って思ってしまう。

 


やっぱり原作的に人の力で再現するのが難しいものって絶対あるし、最近は何でもかんでもすぐ舞台化するけど、必ずしも舞台化しなくても良い気がする。

 

なんか、まとまらないけど。

そんなかんじのことでずっともやもやしてた。

 

でもまあなんていうか、ストーリーと演出はもやもやだったけど、元気そうな推しが見れてやっぱり嬉しかったし、推しの悪役のお芝居とか推しのメイクとか推しの殺陣とか最高で最高だったので!全てが虚無ではなかった!はず!!

 

 

 

ところで話は変わりますけど、来年1月からも推しは舞台のお仕事が決まっているんですけど、チケ倍率えっっっっっぐいですね????やばいと思ってはいましたけどマジでやばいですね?最早全滅の刃ですね?(わらえない)

 


え、これ本当、チケット存在してます?なんでここまで取れない?どこに流れているというの?円盤先行か?円盤先行なのか??当たる気がしないね??????

 


最早金で殴る以外の選択肢がないので、大人しく円盤積んでおきました。頼むぞ……。

*1:前の記事に書きましたがあんまりだったので非公開にしました

*2:むちゃくちゃに原作が好きだった